マクロン氏、バイルー氏の信任決議案を支持、辞任の可能性は否定
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、フランソワ・バイルー首相の信任投票実施の決定に対する支持を改めて表明した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、政権の退陣につながる可能性のある信任投票を9月8日に実施するというフランソワ・バイルー首相の決定に対する支持を改めて表明した。
マクロン大統領は、バイルー政権が崩壊した場合の選択肢について言及を避けた。選択肢には、新首相の任命や国民議会の解散・総選挙などが含まれる。しかし、マクロン大統領は、一部政党が要求しているような辞任はしないと明言した。
「フランス国民、そして他の誰からも私に託された負託の責任は、その任期が満了するまで行使されない」とマクロン大統領は、金曜、フランスの地中海沿岸都市トゥーロンでドイツのフリードリヒ・メルツ首相とともに行った記者会見で述べた。
バイルー氏の失脚は、マクロン大統領を昨年の総選挙以来脱出に苦戦させてきた行き詰まり状態に再び陥らせることになる。対立する3つの勢力に分裂した国民議会で法案を成立させられる有力な候補者はいないのだ。
「彼の行動は、全くの狂気というわけではない」とマクロン氏は述べ、イデオロギー的に多様な政党が同じ政権を担うドイツを例に挙げた。「彼がこの状況について政治勢力と議会勢力に責任を問うのは当然だ」
マリーヌ・ル・ペン率いる極右政党「国民連合」を含む野党は、マクロン大統領に対し、新たな議会選挙で再び賭けに出るべきだと圧力をかけている。しかし、世論調査ではマクロン大統領自身も支持者も根強い不人気を示していることから、マクロン大統領は今のところこれに抵抗している。
マクロン大統領はトゥーロンで、来週から始まるバイルー首相と各政党との一連の協議によって、政権存続に賛成票を投じるよう説得できると信じていると述べた。
しかし、議会における勢力バランスはバイルー氏にほとんど希望を与えていない。9月8日に辞任を迫られる事態を避けるには、首相は極右派議員、あるいはあり得ないほど多くの左派議員を説得し、何度も反対票を投じてきたにもかかわらず棄権させなければならない。
今年初め、バイルー首相は2025年度予算をめぐる不信任決議において社会党に棄権を促し、膠着状態を打開することに成功した。首相が来週、社会党と他の政治団体を協議に招集したにもかかわらず、社会党は二度とこのような事態は起こさないと表明している。
政府の崩壊の可能性はすでに金融市場を動揺させており、投資家は債務負担の軽減に伴うより大きなリスクを織り込んでいる。バイルー氏は債務負担が国を圧迫していると指摘している。
ここ数日の市場売りにより、フランスの10年債利回りとドイツの10年債利回りのスプレッドは80ベーシスポイントを超え、1月以来の高水準となった。金曜日には79ベーシスポイント前後だった。